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ウエストミンスター寺院

Westminster2_2 初めてのロンドンで、市内観光に使える時間は正味1日だけ。どこへ行くか悩ましいところですが、まずはホテルから比較的近いウエストミンスター寺院を訪れることにしました。歴代の国王が戴冠式を執り行ってきた英国王室の教会で、建立は11世紀に遡ります。ダイアナ妃の葬儀が行われた教会として、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

Entrance_2 美しい装飾が施されたエントランスを抜けて、建物の中へ。入場料は12ポンドで、日本円に換算すると約2400円(2008年9月時点、1ポンド約200円)になります。教会の入場料としては少々割高な印象ですが、音声ガイドの利用料が含まれていて、日本語を含む数カ国語で解説を聞くことができます。わかり易い解説に加えて、ミサでの聖歌隊の歌声なども録音されており、なかなかの優れものでした。

ウストミンスター寺院は一続きの大聖堂ではなく、いくつものチャペルが組み合わさって、大きな1つの教会を形作っていました。主祭壇があるのは13世紀に造られた建物中心部で、ウェストミンスター寺院を建立したエドワード懺悔王の廟が祀られています。そして、エドワード懺悔王のチャペルを取り巻くように、いくつもの小チャペルが配置されており、その1つ1つが凝った特徴ある造りをしていました。

ひときわ見事だったのは、16世紀前半に増築されたヘンリー7世チャペルです。暗い建物中心部から、階段を上ってこのチャペルに入った瞬間、目の前がパッと明るくなったように感じました。白を基調とした豪華な装飾が、明るく華やかな雰囲気を醸し出しています。天井が高く窓も広いので、外の光がふんだんに入ってきて、チャペルの美しさを一層引き立てているようです。特に、豪華かつ精緻な彫刻を施した白いアーチ型の天井には、目を奪われました。騎士たちのための席とそれぞれの旗印がズラリと並んだ様子も壮観です。ステンドグラスも綺麗で、内部が撮影禁止だったため、写真をお見せできないのが本当に残念です。

ヘンリー7世チャペルから建物中心部へ戻ろうとしたところで、「戴冠の椅子」が目に留まりました。1301年に作られたもので、現在の女王エリザベス2世が戴冠したのもこの椅子です。音声ガイドからは、「この玉座の下には運命の石が置かれており・・・」という解説が聞こえてきました。この「運命の石」とは、エディンバラ城で、スコットランド王の戴冠用宝器の傍らに置かれていた、あの石のことです[エディンバラ城(後編)参照]。数日を挟んで、台座のない「Westminster_4戴冠の椅子」と、玉座が乗っていない「運命の石」の両方を見ることになり、スコットランドとイングランドの戦いの歴史をかいま見た気がしました。

ウエストミンスター寺院には、歴代の国王や王族だけでなく、多くの著明人も眠っています。主だった人物を挙げると、音楽家ではヘンデルやパーセル、作家・詩人ではシェイクスピアやバイロン、科学者ではニュートンやダーウィン、政治家ではチャーチルなどでしょうか。錚々たる面々のお墓や記念碑を一度に目にすると、ウエストミンスター寺院や英国の歴史の重みが感じられ、感慨深いものがありました。

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