スイス旅行記

スイス最後の夜

スイスの旅も、とうとう終わりに近づきました。明日はスイスを発って成田へ向かうという日の夜、夫の誕生日祝いと旅行の打ち上げを兼ねて、チューリヒでも指折りの老舗レストラン、ツンフトハウス・ツア・ツィマーロイテンへ出かけました。14世紀のギルドハウスを改装したレストランで、現在の建物は1708年に建てられたものだそうです。

本来は予約をして、ドレスアップして出かけるお店のはずですが、私たちはザンクトガレンから戻ったその足で、どこのお店に入ろうかと探しながら立ち寄ってしまったので、普段着のままです。階段の手すりの彫刻や、ダイニングのシャンデリアなどが豪華で、服装を考えると少々気後れしましたが、旅先のことですから、お店の方には大目に見ていただきましょう。

Geschnetzeltes というわけで、ゲシュネッツェルテスというチューリヒの代表的な料理をいただきました。執事さんと呼ぶのが相応しような給仕係の紳士のお奨めで、薄く切った子牛肉のクリーム煮です。付け合わせはレシュティ。こちらはベルン地方の料理で、細切りにしたジャガイモの両面を焼いたものです。ワインもいただいて、ほろ酔い気分。スイス最後の夜は、ゆっくりと更けてゆきました。

ここで、今回の旅程を整理しておきたいと思います。

1日目  成田 --> チューリヒ --> ルツェルン(ルツェルン泊)

2日目 ルツェルン市内、ピラトゥス山(ルツェルン泊)

3日目 ルツェルン --> グリンデルワルト(グリンデルワルト泊)

4日目 ユングフラウ・ヨッホ、メンリッヒェン(クライネ・シャイデック泊)

5日目 トゥリュンメルバッハの滝、シルトホルン展望台、ミューレン、
      アルメントフーベル(グリンデルワルト泊)

6日目 グリンデルワルト --> ツェルマット --> リッフェルベルク
     (リッフェルベルク泊)

7日目 ゴルナーグラート展望台、リッフェル湖、スネガ展望台、
     ウンターロートホルン展望台(ツェルマット泊)

8日目 クライン・マッターホルン展望台、シュヴァルツゼー
     (ツェルマット泊)

9日目 ツェルマット --> シャモニ、エギーユ・デュ・ミディ展望台
     (シャモニ泊)

10日目 シャモニ --> モントルー、シヨン城 --> ベルン(ベルン泊)

11日目 ベルン市内、ベルン --> バーゼル(バーゼル泊)

12日目 バーゼル市内(バーゼル泊)

13日目 アウグスタ・ラウリカ、バーゼル --> チューリヒ(チューリヒ泊)

14日目 ラインの滝、シャフハウゼン、シュタイン・アム・ライン
     (チューリヒ泊)

15日目 ザンクトガレン、ヴィンタートゥーア(チューリヒ泊)

16日目 チューリヒ市内、チューリヒ --> (機中泊)

17日目 --> 成田着

夫の勤続休暇を利用して、なんと15泊17日。洪水のニュースを見て出発をためらったのが嘘のような、充実した旅でした。

Birg 最後の写真は、ビルクから見たベルナー三山です。いつの日かまた、この雄大な山々に出会えることを祈って、スイス編の筆を置きたいと思います。

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チューリヒの街

何回か前の記事でチューリヒに到着したところまで書いて、2本の塔を持つ大聖堂の写真もお目に掛けましたが、その後、ラインの滝やザンクトガレンの修道院など、チューリヒを拠点にして訪れた観光名所をご紹介していたので、まだチューリヒの街をご覧いただいていませんでした。というわけで、今回はチューリヒ編です。

Town 最初の写真は、大聖堂の塔の上から眺めたチューリヒの街並です。リマト川に架かる橋の上にはカーニバルが来ていて、移動式のメリーゴーランドが回っていました。左手に見える尖塔は、聖ペーター教会。チューリヒで最も古い教区教会で、建設が始まったのは、なんと1000年以上も前の西暦800年頃だそうです。塔に取り付けられた時計は、短針が3メートル、長針が4メートル、文字盤が直径8.7メートルあり、ヨーロッパ最大です。

Fraumuenster 聖母教会。12-15世紀に建てられたゴシックChagall様式の建物で、シャガール作のステンドグラスが見事です。






Lindenhof

チューリヒ発祥の地であるリンデンホフの丘からは、旧市街が一望できます。市電が走っているのも見えますね。





Bahnhof チューリヒ中央駅。駅の構内でマーケッMarketトが開かれて、食料品などを買い求める地元の人たちで賑わっていました。 ここで買った乾燥ハーブの詰め合わせは、オリーブオイルによく合い、帰国してからパスタ料理などに重宝しました。

Bear 私たちがチューリヒを訪れた2005年の夏は、「テディ・サマー2005」というイベントが開かれており、街のあちこちに、色とりどりのテディ・ベアが思い思いのポーズで立っていて、目を楽しませてくれました。

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ザンクトガレンの修道院

Kathedrale チューリヒから列車で1時間15分。世界文化遺産に登録されている修道院を見るため、ザンクトガレンの街を訪れました。この修道院の起源は、7世紀の初めに修道士ガルスが建てた小さな僧院です。それが8世紀に修道院となり、やがて中世ヨーロッパの学問の総本山と言われるまでになりました。

まずは、修道院付属の図書館へ。写真撮影禁止だったため、残念ながらここで内部の写真をお目にかけることはできませんが、天井まで届く本棚と、ロココ様式の華やかな装飾が目を引きました。10万冊を超える蔵書の中には、中世(8-12世紀)の写本や、グーテンベルクによって活版印刷が実用化された時代(15世紀)の印刷本など、貴重な書物が数多く含まれているそうです。書物の一部はショーケースの中に展示されていましたが、保存状態が非常に良く、1000年も前のものとは信じられないくらい、色彩も鮮やかでした。

それらの本の中に、グレゴリオ聖歌の楽譜がありました。グレゴリオ聖歌と聞いてもピンと来ない方が多いと思いますが、合唱でルネサンス時代のミサ曲などを歌ったことがある私にとっては、とても馴染み深いものです。現代の五線譜ではなく、ネウマ譜を用いて記譜されていましたが、音の高低は十分にわかるので、音符(?)をたどっていくと、頭の中に旋律が浮かんできます。図書館という場所を忘れて、思わず口ずさんでしまいそうになりました。

Inside 修道院のハイライトは、バロック建Painting築の傑作と言われる大聖堂です。青空に2本の塔がそびえる外観も素敵ですが、 中へ入ると、装飾の豪華さに目を奪われます。大きな天井画が、とりわけ見事でした。



Laurenzen ザンクトガレンの見所は修道院だけではありません。修道院近くの聖ロレンツォ教会はそれほど大きくありませんが、屋根の模様が特徴的で、中には立派なパイプオルガンが設置されていました。また、ここは繊維工業の中心として栄えた街でもあります。Organ テキスタイル博物館には、14-16世紀頃の刺繍やレースなど、貴重な資料がたくさん展示されていました。

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シュタイン・アム・ライン

Stein シャフハウゼンから再び列車に乗り、シュタイン・アム・ラインへ足をのばしました。中世の雰囲気が色濃く残る街です。こぢんまりした駅を出て、ライン川に架かる橋を渡り旧市街へ。早速街を散策、といきたいところでしたが、朝からラインの滝、シャフハウゼンと巡って来てお昼の時間をかなり過ぎ、お腹の虫が鳴いています。橋を渡りきったところにあったレストランで、Restaurant まず昼食をとることにしました。左の写真で橋のたもとに見えている、赤い花で飾られたお店です。ライン川沿いのテラス席を確保して、行き交う船や、橋の上から川に飛び込んで遊んでいる地元の子供達を眺めながら、名物の川魚料理をいただきました。

Stgeorgen お腹が落ち着いたところで、今度こそ街の散策に出発です。橋の右手に見える尖塔は、11世紀に建てられた聖ゲオルグ修道院。その斜め前には市庁舎があり、そこから市庁舎広場が広がっているのですが、Platz_2 これが圧巻でした。広場に面した建物という建物の壁面いっぱいに、装飾画が描かれています。シャフハウゼンで見た「騎士の家」の壁画も見事でしたが、それに勝るとも劣らない壁画の数々が連なっており、いつまでも眺めていたくなりました。

せっかくなので、目に留まった壁画の写真をいくつか載せておくことにしましょう。

Rathausplatz Hekiga2_3

Hekiga

 

 


 

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ラインの滝とシャフハウゼンの街

ライン川の流れは1300キロメートルに及びますが、その中に滝は1カ所だけ。その名も「ラインの滝」です。高さは25メートルとそれほどでもありませんが、幅は150メートルあり、水量は平均で毎秒750立方メートルと、迫力のある眺めを誇っています。

Schloss 拠点にしたチューリヒから急行列車に乗り、40分ほどでシャフハウゼンの街に到着。ラインの滝があるために船が通行できず、一旦陸へ荷揚げしたのがこの街の始まりだそうです。ここからバスで滝を目指してもよいのですが、私達はSバーンに乗り換えて鉄橋を渡り、対岸にあるシュロス・ラウフェン・アム・ラインファル(ラインの滝のラウフェン城)駅へ向かいました。観光シーズンの昼間だけ列車が停車する、小さな無人駅です。駅から坂を上ると、数分でラウフェン城に到着。城はレストランやホテル、土産物店として使われており、そこから滝へ向かう遊歩道が延びていました。

Rheinfall 滝のビューポイントはいくつかあって、シャフハウゼン側の岸から見てもよいし、遊覧船から眺めても、遊覧船で滝の中央にある岩へ渡ってもよいのですが、滝壺を最も間近に眺められる場所は、ラウフェン城Fall側の遊歩道です。手を伸ばせば届きそうなほど近くを滝が勢いよく流れ落ちていて、迫力満点。真っ青な空と白く砕けた水しぶきのコントラストに、七色の虹が映えていました。

Ritter ラインの滝の眺めを楽しんだ後は、列車でシャフハウゼンへ戻って街を散策しました。通りを歩いていると、家の壁を飾る見事な壁画や、出窓の彫刻が目に留まります。写真は「騎士の家」の壁画。神話とローマの歴史をモチーフにした、16世紀の作品だそうです。

Munot 街を見下ろす位置には、円形をしたムノート(城塞)が建っています。これも16世Schaffhausen紀の建築で、文化遺産として保存されているそうです。上部からはシャフハウゼンの街並みやライン川、周辺のブドウ畑が一望できました。ひときわ目を引く塔は、ロマネスク様式の大聖堂です。

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チューリヒへ

アウグスタ・ラウリカからバーゼルに戻り、駅構内で昼食を済ませてから、列車でチューリヒへ移動しました。1時間ほどで着く予定だったのですが、途中、駅と駅の間で何故か列車がストップしてしまいました。ドイツ語でアナウンスがありましたが、状況がよく分かりません。どうしたのかな、と思っていたら、隣の席に座っていたビジネスマンらしいグループが、明らかに外国人と分かる私達を心配して、英語で事情を説明してくれました。時間に余裕があったので、それほど焦っていたわけではありませんが、旅先で思いがけずこのような心遣いを受けるのは嬉しいものです。どうやら先行する列車にトラブルがあったようですが、しばらく待っていると列車は動き始め、少し遅れたものの無事チューリヒに到着しました。

ところが、ここでまたトラブル発生です。今回、ルツェルンからシャモニまでのホテルは日本を発つ前に予約しておいたのですが、ベルン以降は日程が流動的だったこともあって、現地のインフォメーションを利用して探すことにしていました。アルプスの代表的な観光地では、ホテルの当日予約が難しいかもしれないと考えた一方、都市部でホテルが確保できないとは思わなかったためです。実際、ベルンとバーゼルでは何の問題もなく、現地到着後、すぐにホテルを見つけることができました。ところが、ホテルの数がずっと多いはずのチューリヒに着いてみると、駅に設置されたホテル予約の案内板は、赤ランプ(満室)のオンパレード。インフォメーションで尋ねてみても、「郊外の2ツ星ホテルなら・・・」という返事。2ツ星はともかく立地が悪すぎたので、やむを得ず飛び込みでホテルを探すことにして、インフォメーションを後にしました。

こういう時は、2人いると便利です。私がスーツケースの番をしている間に、夫が駅の外へ出てホテルを回ってくれました。かなり長時間待つことを覚悟していましたが、夫は思いのほか早く戻って来ました。3軒目のホテルに空室があったそうです。中央駅から徒歩数分という好立地のビジネスホテルで、やや予算オーバー気味ではありましたが、まずは一安心です。ヨーロッパではインフォメーションが整備されているので、これまでにもホテルを予約せずに出かけたことが何度かあり、新婚旅行のホテルも現地で探したほどなのですが、国際電話をかけるかファックスを送るしかなかった当時と違って、現在は海外のホテルもインターネットで簡単に予約できるので、敢えて予約を取らずに出かけるメリットはあまりなくなったようです。

Grossmuenster_2 ホテルが決まり、ようやくチューリヒの街へ繰り出すことができました。写真はリマト川の対岸から見た大聖堂です。最も古い部分は11世紀から12世紀にかけて建てられ、16世紀には宗教改革の舞台にもなりました。大聖堂の手前に赤い屋根が見えるのは、テディーズ・スーベニア・ショップ。帰国が近づいてお土産を選ぼうとしても、高級ブティックや時計などの専門店が多くて困っていたのですが、このお店にはスイス小物が一通り揃っていて、とても重宝しました。

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アウグスタ・ラウリカ

Theater バーゼルの郊外に、アウグスタ・ラウリカというローマ都市の遺跡が残っています。紀元前44年に建設されたもので、ライン川周辺地域で最古、かつスイスで最大規模のローマ遺跡だそうです。チューリヒへ移動する前に少し時間があったので、ローカル線に乗って出かけてみました。



Entrance カイザーアウグスト駅で下車し、地図を見ながら歩くこと約10分で遺跡に到着。まず博物館に入り、発掘物やローマ人の生活を再現した家などを見学してから、屋外の遺跡に向かいました。真っ先に目を引くのは野外円形劇場です。現在は客席の一部を修復してイベントなどに使用しているようですが、後ろ側へ回り込むと、石造りの建物がローマ時代のままの姿で残っていました。当時は8000人を収容できたというだけあって、かなり大規模なもので、重厚な印象を受けました。

Bath 円形劇場の周辺には、バジリカや公衆浴場などの遺跡も点在しており、ここで発掘された見事なモザイクを見ることもできます。ローマ時代にタイムスリップしたような、不思議な気分を味わいました。Mosaic_2

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バーゼルの街

次に訪れた街はバーゼルです。ベルンから列車で1時間ほどで到着しました。

Basel ホテルに荷物を置いて街の散策に出かけたところで、すぐ近くに大きな郵便局を発見。帰りの飛行機でスーツケースが重量オーバーするのではないかと気になり始めていたので、不要になったハイキング・シューズなどを日本の自宅へ送ることにしました。まず窓口で料金などを尋ねて梱包用の箱を買い、一旦ホテルへ戻って荷物を詰めて、もう一度窓口へ。簡単に終わると高をくくっていましたが、困ったことに、アルプスの観光地を離れて都市部へ入った途端に、英語が通じにくくなったようです(バーゼルはドイツ語圏)。手続き書類の記入項目が結構多かったこともあって、意外に苦戦しましたが、何とか日本宛に小包を出すことができました。ちなみに、この時送った荷物は、帰国して数日後に無事に手元に届きました。

さて、これで落ち着いて観光が始められます。それでは、バーゼルの街をご紹介しましょう。

Tinguel タンゲリーの噴水。バーゼル育ちの世界的な彫刻家、ジャン・タンゲリーの作品です。市立劇場前の広場にあって、舞台装置を再利用して作られた様々な形の噴水が回転しながら動き回り、盛大に水を噴き上げています。タンゲリーの名前も、噴水があることも知りませんでしたが、街歩きの最中に思わず足を止めて見入ってしまいました。ちなみに、バーゼル市内のタンゲリー美術館には、古タイヤや歯車などの廃材を利用した作品が数多く展示されているのだそうです。

Rathaus フレスコ画が描かれた赤い建物は市庁舎です。16世紀にゴシック様式で建てられ、その後、19世紀に改修されて現在の姿になりました。市庁舎前の広場では、マーケットが開かれていました。新鮮な野菜や果物、大振りのソーセージとハム、焼きたてのパンに手作りジャム・・・。食材だけでなく色とりどりのお花まで並んでいて、見て回っていると、つい欲しくなってしまいます。我慢できなくて、オリーブオイルの小瓶(ハーブ入り)を購入しました。

Muenster 赤砂岩で造られた、ゴシック様式の大聖堂。ベルンの大聖堂に続いて、こちらも修復工事中でした。塔の上からは、Rhein_2ライン川とバーゼルの街が一望できます。


 

Blockfloete_2 週末音楽家(?)の私にとって、バーゼルで是非訪れたかった場所は古楽器博物館です。さんざん道に迷ったあげくに、ようやくたどり着きました。普通、博物館では展示物を眺めるだけですが、ここには貴重な古楽器に混じって楽器の発音部分の模型などが展示されていて、自分で動かしながらそのメカニズムを見ることができます。また、楽器の展示室にボタンが並んでいて、それを押すと、目の前に展示されている楽器を使った演奏が流れてきました。つい夢中になって、次から次へとボタンを押してしまいましたが、おかげで目当ての古楽器の数々を目と耳の両方で楽しむことができました。アマチュア・リコーダー愛好家としては、総象牙のリコーダーに目を奪われましたが、材質が材質だけに、手に入れることはもはや不可能でしょう。

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ベルンの街めぐり

スイスの首都はチューリヒでもジュネーヴでもなく、ここベルン。旧市街は世界遺産に登録されています。その落ち着いた佇まいを楽しみにしていたのですが、なんと旧市街の大通りが工事中! 広い範囲にわたって掘り返されて、すごいことになっていました。ヨーロッパの古い街並みを見て回るのが好きな夫は、相当がっかりした様子でしたが、せっかく来たのですから、街めぐりに出掛けることにしましょう。

Zeitglockenturm街の真ん中にある時計塔。もとは街の西門として12~13世紀に建てられた塔で、天文時計と仕掛け時計は1530年に作られたものだそうです。毎時数分前から動き出す人形仕掛けClockを見に、たくさんの人たちが集まってきて、街のシンボル的な存在です。 SOGOの時計などを見慣れた目には、ちょっと物足りないかもしれませんが、16世紀から動き続けている歴史の重みを感じました。

Anna_2 時計塔の前に見えるのは「射手Kindlifresserの噴水」。ベルンの旧市街には、 伝説上の人物や英雄の像で飾られた噴水がたくさんあり、それらを見て回るだけでも楽しめます。「アンナ・ザイラーの噴水」(左)のような美しい女性像から、「子喰い鬼の噴水」(右)のようにかなり不気味なものまで様々です。これらの噴水も16世紀の作。「アンナ・ザイラーの噴水」の後ろには、牢獄塔が見えています。

Muenster 大聖堂(ミュンスター)。スイスで最も高い尖塔だそうです。一部修復中で足場とシートが掛かっていましたが、正面入り口の彫刻が見事でした。




Town 高台にあるバラ園からは、旧市街が一望できます。





Bernerplatte ベルンの名物料理、ベルナー・プラッテ。ソーセージや肉料理の盛り合わせですが、これだけドーンッとお肉が出てくると、日本人にはちょっと辛いかもしれません。もう1皿はムール貝です。日本では高級食材のイメージがありますが、ヨーロッパではポピュラーで、ご覧のような分量で出てきます。

ベルンに滞在したのは、夕方から翌日のお昼までと短い時間でしたが、アインシュタインの家を訪れたりもして、古都の文化の香りに触れたひとときでした。

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モントルーとシヨン城

Halo 朝起きると、ホテルの窓からモン・ブランとエギーユ・デュ・ミディ展望台がバッチリ見えていました。やっぱり1泊だけでは勿体ない気がしますが、後ろ髪を引かれながらも、モン・ブラン急行でシャモニを後にしました。列車の窓から外を眺めると、山々に当たった朝日が雲に反射して、まるで後光が射したような不思議な光景が目に入ってきました。

Leman 今日の最初の目的地は、レ・マン湖畔の街、モントルーです。マルティニ経由で、お昼前に到着。早速、湖畔を散策しながらシヨン城を目指しました。この城は湖畔Chillon_2の岩場に立てられており、まるで湖に浮かんでいるように見えます。駅前から歩くと結構距離があり、到着まで40分ほどかかりましたが、レ・マン湖沿いの景色の良い遊歩道なので、楽しく歩くことができました。

ひとしきりシヨン城の外観を眺めて写真を撮り、続いて中を見学・・・といきたいところでしたが、既に正午を大分回っており、お腹も空いてきました。近くに食事ができる場所があるかどうか心配しましたが、幸い、道路を渡った反対側に一軒家のレストランを発見。いそいそと店に入り、ランチ・メニューの中から各自1品ずつオーダーしました。

Fish_2 待つことしばし。テーブルに並べられた2枚のお皿の上には、どちらも山盛りの魚が乗っています。この魚の形と大きさには心当たりがありました。先ほど湖畔を散策しながらレ・マン湖をのぞき込んだとき、湖の中を群れをなして泳いでいた魚に違いありません。メニューには何種類もの料理が載っていましたが、実は、材料はすべてこの地元名産(?)の魚で、調理法や味付け、ソースが違うだけなのだということに、今さらながら気付きました。

Chateau お腹がいっぱいになったところで、あらためてシヨン城の見学です。この城はバイロンの詩「シヨン城の囚人」の舞台になったことで知られています。詩に歌われた「囚人」は、16世紀に城に囚Byronわれていたジュネーヴの宗教改革者、フランソワーズ・ボニヴァルだそうです。 それから数百年を経て、バイロンがシヨン城を訪れました。ボニヴァルが幽閉されていた部屋の柱には、バイロンが自ら刻みつけた名前が残っています。

日本語のパンフレットを見ながらゆっくりと城内を巡った後は、バスでモントルーの駅へ戻って、再び列車に乗りました。目的地はベルンです。ローザンヌ経由で夕刻に到着。前日ツェルマットの駅から発送したスーツケース2個は無事に届いて、ベルンの駅で私達が着くのを待っていました。

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エギーユ・デュ・ミディ展望台

Telepherique ホテルにチェックインするのもそこそこに、早速、街外れのロープウェイ乗り場へ向かいました。目指すのはエギーユ・デュ・ミディ展望台、お目当てはもちろんモン・ブランです。この展望台はフランスとイタリアの国境に位置していて、両方の国からアクセスすることができます。標高は3842メートルで、既に上ったクライン・マッターホルン展望台(標高3883メートル)より若干低いのですが、起点となるシャモニの標高が1030メートルしかないので、麓からの標高差はこれまでで最大。気圧の変化に要注意です。

ところで、ロープウェイに乗り込んだ時点で、街からモン・ブランの姿は見えていませんでした。お天気自体は悪くないのですが、ツェルマットから移動してきた間に午後になっており、空には雲が湧きだしています。モン・ブランの姿を見られるかどうか、かなり微妙ではありますが、シャモニには1泊だけの予定なので、とにかく行ってみるしかありません。

Aiguilledumidi 展望台があるエギーユ・デュ・ミディの頂上には、発射台に鎮座したロケット(?)のような形の塔が建っていて、Deck非常に特徴的です。展望テラスは3箇所あり、最も高い頂上テラスから下側のテラスを見下ろすと、右の写真のようななかなかスリリングな光景が目に入ってきました。

Montblanc 予想通り雲が多く、すっきり快晴というわけにはいきませんでしたが、その雲が強い風でどGrandesjorassesんどん流されて行くので、しばらく待っていると、ヨーロッパ最高峰、標高4807メートルのモン・ブランが、その名の通り真っ白な姿を現してくれました。雲が切れるにつれて、イタリアとの国境にあるドリュやグランドジClimbersョラスといった針峰群も一望できるようになりました。 眼下には、ザイルで結ばれた登山者の姿もたくさん見られます。一般の登山者だけなく、丁度、2人組のロッククライマーが岩壁を登ってきて、無事に頂上へ到着した瞬間に立ち会うことができました。



夕方のシャモニの街には観光客があふれ、民族衣装に身を包んだバンドの演奏も聞こえてきます。華やいだ雰囲気の楽しげな街で、1泊しかできないのがとても残念になりました。Band

 

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シャモニへ

ツェルマットのホテルをチェックアウトして駅へ行き、まずスーツケースをベルンへ発送しました。スイスは荷物の託送システムが発達していて、目的地までの乗車券を持っていれば、駅から駅へ、本人とは別に荷物を届けてくれます(有料)。移動の途中で観光するのに便利なので、旅行の計画を立てた時点では頻繁に利用するつもりでしたが、なにしろ洪水の直後にスイスへ到着して、荷物どころか自分の移動も迂回路や代行バスを利用しなければならない状態だったので、これまでは利用を見合わせていました。

Glacierexpress 1泊分の荷物だけを詰めたリュックを背負って私達が向かったのは、ベルンではなく、モンブラン観光の拠点、フランス領のシャモニです。まずフィスプまで行って乗り換えるのですが、ツェルマット8:30発のフィスプ方面行き列車は、人気の氷河急行でした。私達が乗ったのは1時間ちょっとの短い区間だけでしたが、スイス・パスの威力で1等車に座席を確保し、広い窓からの眺めを存分に楽しみました。

Montblancexpress フィスプで乗り換えてマルティニへ行き、今度はモンブラン急行に乗りました。車体の「MONT-BLANC EXPRESS」の文字と、モンブラン登山初期の様子を描いた絵が目を楽しませてくTrainwindow_2れます。出発直後から列車は急勾配を上り、またたく間に高度を上げていきました。国境駅で1度乗り換えて、登山列車からの眺めを楽しみながら、約1時間半でシャモニに到着しました。

Chamonix

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ツェルマットの街めぐり

ヴァリス地方では、リッフェルベルクとツェルマットに計3泊しました。ほとんどの時間は展望台へ出かけたりハイキングを楽しんだりしていたので、ツェルマットの街で過ごす時間はほとんどなかったのですが、せっかくなので、ツェルマットの街を少しだけご紹介しましょう。

Rope 山岳博物館。マッターホルンの初登頂を果たしたのはイギリスのウィンパー卿ですが、その下山途中で、7人パーティーのうち4人が滑落して亡くなるという悲劇がありました。こWhymperの時、上側の3人と下側の4人の生死を分けた「切れたザイル」が展示されています。その「命綱」の細さに驚かされました。また、マッターホルン北壁を女性だけのパーティーで初登攀したのは日本人のペア(今井通子氏と若山美子氏)なのですが、その記録なども展示されていました。スイスへの出発前に、マッターホルン登攀の歴史に関する本を何冊か読みましたが、本の内容が少しだけ実感を伴って感じられるようになりました。

Church 教会と墓地。マッターホルンを見上げる墓地には、初登頂のメンバーも何人か眠っています。一般の人たちの中にも、山で命を落とした方が大勢いらっしゃるのでしょう。マッターホルンやピッケルを象った墓標が多いのが印象的でした。



古い穀物倉庫群。正倉院に代表される日本古代のStorehouse高床式倉庫にどことなく似ていますが、ネズミ返し(柱と床の境目にある円盤状の板)が特徴的です。スイス・アルプスのリゾート地として名高いツェルマットですが、路地を1本入ると、まるで数百年前にタイムスリップしたかのような、こんな風景も広がっていました。

Dinner 今回はマッターホルン登攀の歴史を真面目にお勉強してしまったので、おまけです。ツェルマットのレストランでの夕食メニュー。スイスの食事は美味しくて、ついつい食べ過ぎてしまいます(笑)。

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シュヴァルツゼー(黒い湖)

さすがに高度と寒さが堪えてきたので、クライン・マッターホルン展望台から下りのロープウェイに乗り込みました。このロープウェイでは、高山病で倒れた外国人旅行者を運び下ろす担架と乗り合わせました。やはり、富士山頂を上回る高度は侮れないようです。

Hotel 一旦フーリまで下り、別のロープウェイ(上り)に乗り換えてシュヴァルツゼー駅へ。朝から展望台に上ってお腹が空いたので、まず昼食をとることにし、駅のすぐそばにある山岳ホテルに入りました。カフェテリア形式のレストランでサンドイッチとサラダ、スープをゲットし、戸外のテラス席で、マッターホルンを眺めながらいただきました。スープはかなり塩辛かったけれど、ここはマッターホルン登山の拠点。登山客にとっては丁度良いのかもしれません。

Schwarzsee 勿論、私達はマッターホルンを目指すわけではなく、ハイキングの目的地は、先ほど後にしてきたフーリです。ホテルから少し下って、まずはシュヴァルツゼーへ。ドイツ語で「黒い湖」の意味で、本来は黒く見えるはずなのですが、青空や周囲の山が映り込んで、どちらかと言うと青く見えました。湖畔には可愛らしい礼拝堂が建っていて、中には小さな祭壇もありました。

Matterhorn 湖の周りでしばらく写真撮影をしてから、ハイキングを始めました。スイスを訪れてからハイキングは4度目ですが、これまでで最も長い距離を歩くコースで、普段ほとんど運動をしない私はちょっと心配でした。でも、見飽きることのない景色が続くので、Dam 距離は苦になりません。途中、シュタッフェルアルプのレストランでリンゴジュースを飲みながら休憩したり、ダム湖を上から覗き込んだり、可愛らしいツムットの集落を遠目に眺めたりしながら、予定よりも早くフーリに到着。ロープウェイとゴンドラを乗り継いで、ツェルマットへ戻りました。Zmutt

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クライン・マッターホルン展望台

朝起きると、ツェルマットのホテルのテラスから、バラ色に染まるマッターホルンの頂上が見えました。今日もお天気は良さそうです。朝食をとるのももどかしく、クライン・マッターホルン展望台を目指しました。ヨーロッパで最も高い位置にある展望台です。

Ropeway まず、徒歩でツェルマット南端のヴィンケルマッテンへ行き、ゴンドラリフトでフーリへ。そこから2本のロGletscher_2 ープウェイを乗り継げば、展望台があるクライン・マッターホルンの頂上です。頂上周辺にスキー場が広がっているため、ロープウェイの中にはスキー客の姿も目立ちました。到着直前に氷河の真上を横切るので、迫力満点。ロープウェイからの眺めは、ちょっとスリルがありました。

Kleinmatterhorn 展望台の標高は3883メートル。ユングフラウ・ヨッホのスフィンクス展望台(標高3571メートル)を約300メートル上回り、富士山の頂上を見下ろす高さです。空気が薄いのと気温が低いのとで、そこに居るだけで体力が消耗していくのを感じました。同じ3000メートルを超える展望台でも、ユングフラウ・ヨッホやゴルナーグラート展望台では、そのような感覚はなかったので、麓の村から短時間で一気に上ってきたことも影響しているのでしょう。

Matterhorn ここから眺めるマッターホルンは左側に平らな肩を伴った岩山で、これまで見慣れた尖った三角形とは趣を異にしています。このマッターホルンを中心に、見渡す限り、山々のパノラマが広がっていました。


 

展望台からの眺めを楽しんだ後は、「氷河宮殿」へ。ユングフラウ・ヨッホの「氷の宮殿」は、時間が押していたため大急ぎで通り抜けただけでしたがIcepalace、今回はゆっくり見学できました。氷でできたバー・カウンターに本物のワイン・ボトルが置いてあったり、氷の馬たちに牽かれた氷の馬車があったり、凝った彫刻が目を楽しませてくれました。

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スネガとウンターロートホルン

リッフェルアルプから登山列車でツェルマットへ戻りましたが、まだ日は高く、真っすぐホテルへ向かうのはちょっと勿体ない気がします。チェックインはまだですが、昨日のうちにホテルに荷物を預けてあるので、少々到着が遅くなっても、部屋がキャンセルされてしまう心配はないでしょう。そこで、ツェルマットから最も手軽に上れるスネガ展望台と、その先のウンターロートホルン展望台へ行ってみることにしました。

Undercable まず、地下を走るケーブルカーに乗ってスネガへ。ツェルマットとスネガの標高差は690メートルありますが、約3分であっという間に到着します。スネガ展望台から眺めるマッターホルンは最も形Sunneggaが整っていて美しいと言われますが、午後遅い時間だったため、西日の中に霞んでいました。 ちょっと残念ではありますが、今日は朝からモルゲン・ロートと逆さマッターホルンを堪能したので、これ以上を望むのは贅沢でしょう。

Cableway 標高3103メートルのウンターロートホルン展望台へは、空中ケーブルカーで上ります。周囲を眺Monterosaめると、午前中に上ったゴルナーグラート展望台が遠くに小さく見えました。ゴルナーグラートから見た時には朝日の中に霞んでいたモンテ・ローザ(ヨーロッパ・アルプス第2の高峰)やフィンデルン氷河も、光が反対側に回り込んだため、クッキリと映えていました。

今日は3000メートル級の展望台に上るのも2回目です。山頂のカフェでお茶を飲みながら、夕刻のひとときをのんびりと過ごしました。Findelngletcher

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リッフェル湖と逆さマッターホルン

ツアー客で徐々に混み合ってきたゴルナーグラート展望台から登山列車で1駅下り、ローテンボーデンへ移動しました。道標を確認して、ハイキングに出発です。ほどなくリッフェル湖に到着しました。それほど大きくない、どこにでもありそうなこの湖がどのガイドブックにも載っているのは、マッターホルンの全景が湖面に映り込み、「逆さ富士」ならぬ「逆さマッターホルン」が見られるためです。

Riffelsee 幸い願ってもない好天で、山にほとんど雲はかかっていません。ハイ・シーズンには写真撮影が順番待ちになることもあるようですが、まだ朝早いため人影はまばらで、たっぷりと時間をかけて、まるでお手本のような「逆さマッターホルン」を眺めることができました。湖面にカメラを向けてMatterhornいると、「シャッターを押してもらえますか?」と声を掛けられました。振り向くと、どこかで見たような、やや年配の紳士が2人立っています。誰だったかな、と思い出すのにしばらくかかりましたが、前日の夕食時にホテル・リッフェルベルクのレストランで隣のテーブルに座っていた、スイス人らしい2人組でした。どうやら、私達がゴルナーグラート展望台からの眺めを楽しんでいる間に、リッフェルベルクから歩いて登ってきたようです。こんな偶然の出会いも、個人旅行ならではの楽しみです。

Deer_2 ゴルナーグラートを目指して登る彼らと別れ、私達は下りの道へ。目的地はリッフェルアルプです。初め前方に見えていたマッターホルンは、途中から後ろへ回り込んでしまいましたが、青空の下、周囲の山や谷を眺Bycicleめながら歩くのは爽快です。途中、岩場を駆ける鹿(?)の姿を見ることもできました。驚いたのは、ハイキングコースを登ってくるマウンテンバイクと何度かすれ違ったことです。歩いて下っていても足がガクガクしそうな急勾配の山道だというのに、よく自転車がこげるものだと感心しました。

Riffelhiking 前方の谷の奥にツェルマットが見えてくれば、標高2200メートルの5ツ星リゾート、リッフェルアルプはもうすぐです。丁度お昼になったので、戸外のカフェに席をとりました。気持ちよく汗をかいたせいか、いつになくビールが美味しく感じられます。(特大の!)ピザとサラダもいただいて一息ついた頃、なんと件の男性2人組がカフェに入って来るではありませんかPizza。先方もこちらに気付いたようです。聞けば、リッフェル湖で別れた後、ゴルナーグラート展望台まで登り、さらに列車を使わずにリッフェルアルプまで下ってきたのだそうです。「No Train!」と、誇らしげでした。

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ゴルナーグラート展望台

大急ぎで朝食を済ませてチェックアウトし、朝のキリッとした空気を感じながらリッフェルベルク駅へ。ゴルナーグラート・モンテローザ鉄道の1番列車に、無事に間に合いました。辺りは随分明るくなり、先ほどまでバラ色に染まっていたマッターホルンは、青空の下で映えています。

10分少々でゴルナーグラート駅へ到着。1番列車に乗った甲斐があり、まだ観光客の姿はまばらです。駅前の展望台からも、マッターホルンを始めとする山々を望むことができますが、5分ほど斜面を登ってゴルナーグラートの山頂(標高3130メートル)へ行くと、駅前からは見えなかった北側の展望も開け、360度のパノラマが広がっていました。

それでは、朝日に照らされた山々と氷河をご一緒に眺めてみましょう。

Matterhorn_2 まずはマッターホルン。きれいな三角形が印象的です。
私達日本人にとって富士山が特別なのは、単に日本一高いからというだけではなく、あの裾野がスーッと延びた独特の美しい姿のためではないかと思います。スイス人にとってのマッターホルンも同じような位置づけで、きっと特別な山なのだろうな、と感じました。

 


Breithorn_2

真ん中よりやや右にある、雪をかぶったなだらかな山はブライトホルン(標高4165メートル)、その右側に見える三角形の岩山はクライン(小)・マッターホルン(標高3883メートル)です。まるでマッターホルンを小さくしたみたいで、名前の由来がわかります。



Twogletschers シュヴァルツ氷河(右)とツヴェリングス氷河(左)。ツヴェリングス氷河の左奥に見える双子の山は、双子座の星と同じ名前のカストール(標高4226メートル)とポルックス(標高4091メートル)です。




Gornergletscher ゴルナー氷河。氷河の奥に見える山はリスカム(標高4527メートル)、その右側にはカストールとポルックスも見えています。






Monterosa ゴルナー氷河(右)とフィンデルン氷河(左)に挟まれて真ん中に鎮座するのは、ヨーロッパ・アルプス第2の高峰モンテ・ローザ(標高4634メートル)。ゴルナー氷河はこの山から流れ出ています。

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朝焼けのマッターホルン

Morgenrot アルプスには4000メートル級の山がたくさんあるので、様々な場所で朝焼けを見ることができます。この朝焼けのことをドイツ語で「モルゲン(朝)・ロート(紅)」といいます。マッターホルンではバラ色に染まる特別に美しいモルゲン・ロートが見られることを本で読み、是非この目で見たいと、日本を出発する前から楽しみにしていました。日の出の正確な時刻はわかりませんが、グリンデルワルトで6時過ぎに起きたら真っ暗だったことを考えると、おそらく6時半から7時くらいでしょう。2500メートルを超える高度のせいか、前夜は疲れているのに深く眠ることができず、いまひとつ気分がスッキリしませんが、気合いで早起きし、ホテルの外でマッターホルンにカメラを向けて日の出を待ちました。夏とはいえ、早朝はさすがに冷え込みます。

7時近くなり、周囲は大分明るくなってきましたが、太陽の光はまだ射してきません。ツアー客で混雑するのを避けて、リッフェルベルクを7時40分頃に通過するツェルマットからの1番列車でゴルナーグラート展望台へ上がることにしていたので、レストランが開くと同時に7時から朝食を始めるつもりでしたが、ちょっと怪しくなってきました。

ついに7時を回り、レストランには早めに朝食をとる宿泊客の姿が見られるようになりました。さすがに焦ってきて、マッターホルンとレストランの様子を交互に窺います。何度目かにレストランからマッターホルンへ目を移して、ハッとしました。頂上に、確かにピンク色の点が見えます。それが、みるみるうちに大きくなってきました。マッターホルンの夜明けです。本で読んだとおり、バラ色がかった微妙な色合いの美しいモルゲン・ロートに、夢中でシャッターを切りました。

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リッフェルベルクの山岳ホテル

Zermatt スイス・アルプスの自然に配慮してきれいな空気を保つため、ツェルマットへはガソリン車の乗り入れが禁止されています。代わりに馬車や電気自動車が日常の足として使われており、同じ山岳リゾートでも、グリンデルワルトとはひと味違った落ち着いた趣のある街です。まず、ホテル・アンバサダーにスーツケースを預けて身軽になり、駅前通りを少し散策した後、ゴルナーグラート・モンテローザ鉄道の駅から登山列車に乗りました。実はアンバサダーは明日から泊まる予定のホテルで、今夜の宿泊地はツェルマット(標高1620メートル)ではなく、標高2500メートルを超えるリッフェルベルクです。終点のゴルナーグラートにもホテルがありますが、冬のスキーシーズンに向けて改装中だったため、この夏に限っては、ホテル・リッフェルベルクがマッターホルンを最も間近に望めるホテルになります。

Matterhorn 列車が動き始めると、ツェルマットの街並みがみるみる小さくなり、代わりにマッターホルンがぐんぐん近づいてきました。リッ フェルベルクまでの所要時間は30分ほどですが、窓の外に目を奪われているうちに、あっという間に到着。列車を降りると、斜面を少し下Frame_3ったところにホテルが見えました。アルプスの真ん中に建つ1軒宿です。チェックインした部屋はマッターホルン側の角部屋で、まるで額縁に入った絵のように、窓からマッターホルンが見えました。

 

Hotelriffelberg 一休みしてから外へ出て、駅に併設されたカフェのテラス席でお茶Riffelbergを飲みながら、マッターホルンを始め夕方の光に霞む周囲の山々や、時折通る登山列車、空を優雅に飛ぶパラグライダーなどをのんびりと眺めました。この上なく贅沢な時間が過ぎてゆきます。


ホテル・リッフェルベルクのもう一つのお楽しみは、落ち着いた雰囲気のレストランでワインを飲みながらの夕食です。窓際の席で暮れゆく山々を眺めながら、2500メートルを超える高所に居ることが信じられないような、豪華なディナーに舌鼓を打ちました。 ちなみに、記念に持ち帰って来たメニュー・カードによると、この日のコースはパプリカのクリームスープ、メロンの生ハム添え、鶏胸肉とスイートコーンのハーブソースがけ、自家製アップルケーキのアイスクリーム添えの4品だったようです。Dinner

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ツェルマットへ

ベルナー・オーバーラント地方の旅を終え、次はヴァリス地方のツェルマットへ向かいます。朝空に映えるアイガーの勇姿を名残惜しく振り返りながら、代行バ スに乗り込んでインターラーケン東駅へ。ここからは列車の旅が続きます。今回の旅行では少々(かなり?)奮発して、1等車用のスイス・パスを用意していま した。ユングフラウ鉄道などの登山鉄道やロープウェイでアルプスの山々を巡る時には割引券としてしか使えませんが、一般の鉄道では1等車に乗り放題なの で、長距離の移動では効力を発揮します。1等車の2階がロビーのようになっている列車もあり、旅行期間を通じて快適な旅を続けることができました。

Spiez_2 最初の乗り換え駅はシュピーツです。少し時間があったので駅の外へ出てみると、トゥーン湖畔に建つ古城が美しい佇まいを見せていました。機会があればゆっくり訪れてみたいものですが、今回は遠目に眺めただけで、次の乗り換え駅であるブリークを目指しました。



Brig ブリークからツェルマットまでは、1000メートル近い高度を上る登山鉄道の旅です。線路のすぐそばまで山や氷河が迫り、右に左に見飽きることのない景色が続きます。夢中になって眺めているうちに、1時間半ほどでツェルマットに到着しました。



Glacier Fall

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ミューレンとアルメントフーベル

Muerren シルトホルン山頂からの景色を堪能した後はAllmendhubelbahn、下りのロープウェイに乗り、往きには通過したミューレンで下車しました。こぢんまりとした可愛らしい村です。ここから「アルメントフーベル・バーン」と名付けられた、やはりオモチャのように可愛らしい ケーブルカーに乗って、アルメントフーベルへ向かいました。標高1907メートルの、山と言うより丘と呼ぶのが相応しい場所で、ミューレンからの所要時間は4分ほどです。

ケーブルカーを降りて駅の外へ出た途端、ベルナー三山の眺めに目を奪われました。右から順にユングフラウ、メンヒ、アイガーのピークが、雲一つない青空にくっきりと映えています。標高3000メートル近いシルトホルン展望台から眺めたときには、三山にやや雲Allmendhubelがかかって見えたのですが、どうやらシルトホルン自体にかかっていた雲が原因だったようで、1000メートルほど下ったアルメントフーベルからは、これ以上ないくらい見事な景観を望むことができました。ここからミューレンまで約1時間のショート・ハイキングを計画しており、すぐに出発するつもりでしたが、歩き始めるのが勿体ないようで、しばらくその場を動くことができずに、ベルナー・アルプスのパノラマに見とれてしまいました。周囲にも、私達と同じように思わず足を止めて、あるいはベンチに腰掛けて、景色を楽しんでいるハイカーの姿が数多く見られました。

いつまでも眺めていたい景色でしたが、少々時間が押していることもあり、ハイキング・コースへ。6月から7月にかけては見事なお花畑が見られるコースだそうですが、私達が訪れた8月末には、残念ながら花の季節は終わっていました。けれども、ミューレンへ下るにつれて大きくなり、眼前に迫ってくるユングフラウの姿は圧巻で、お花畑を補って余りあるものでした。

Cablecar_2ミューレン到着後は、駅へ直行しました。列車でグリュッチュアルプへ行き、そこからラウターブルンネンまで、斜度30度を超えるケーブルカーで一気に下ります。ショート・ハイキングとはいえ、少し汗もかいたし、本来ならミューレンのカフェで一休みしてから、村の散策などもしたいところでしたが、ゆっくりできない事情がありました。インターラーケンとグリンデルワルトを結ぶ鉄道が洪水の被害で不通になっていて、代行バスでグリンデルワルト入りしたことは既に書きましたが、インターラーケンとラウターブルンネンの間も同じように代行バスでの輸送が続いています。ラウターブルンネンとグリンデルワルトの間にはメンリッヒェン山があって、両地点間を移動する場合、列車で山麓をぐるっと回るのが普通ですが、その経路が使えないので、ロープウェイとゴンドラリフトを乗り継いでメンリッヒェンを越えなければなりません。メンリッヒェンからグリンデルワルト方面へ降りるゴンドラの運行時間は夕方5時半まで。グリンデルワルトのホテルへ無事にたどり着くためには、どうしてもこれに間に合う必用がありました。朝早くクライネ・シャイデックを出発してから、トゥリュンメルバッハの滝、シルトホルン、アルメントフーベル、ミューレンと、ベルナー・アルプスの旅を満喫してきましたが、実はその一方で、1時間に1本だけのバスや30分待たないと次が出ないロープウェイ、数分しかない乗り継ぎ時間など、手に汗握る(?)時刻表との闘いも続いていました。

Gondola とはいえ、ここまで来れば大丈夫でしょう。スリル満点のケーブルカーでラウターブルンネンへ降り、登山列車に1駅乗ってヴェンゲンへ、そこから前日も利用した急勾配のロープウェイでメンリッヒェンへ。この時点で時刻は午後5時少し前。余裕でセーフ!です。のんびり草を食む牛たちを見ながら、ようやく一息つくことができました。メンリッヒェンからゴンドラに乗り、斜面に広がる牧場や周囲の山々を眺めながら、約30分でグルントに到着。ここから登山列車に1駅乗ればグリンデルワルトです。前日の早朝、慌ただしく後にしてきた街に、無事帰り着くことができました。

ちなみに、残していった荷物はホテル・アルピナがちゃんと預かっていてくれました。この日の宿泊予約はツェントラル・ヴォルターの方に入っていましたが、これから荷物を持って移動するのもおっくうなので、そのままアルピナに泊まってもよいか尋ねてみると、OKとの返事。結局、2日前と同じ部屋にもう1泊お世話になりました。

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シルトホルン展望台

Ropeway トゥリュンメルバッハの激流を後にし、再びバスにSchilthorn乗ってシュテッヒェルベルクへ。ここから4区間に分かれたロープウェイを乗り継いで、標高2970メートルのシルトホルン展望台へ向かいました。 頂上まで約30分の空中散歩です。高度が上がるにつれて、麓の建物や道路などがみるみる小さくなり、アイガー、メンヒ、ユングフラウのベルナー三山を始めとする山々が眼前に迫ってきました。頂上の展望台からは視界が360度開けており、200を超える山々を見渡すことができます。
Jungfrau

 








Restaurant_2 シルトホルンは映画「女王陛下の007」の舞台となったことで知られています。頂上に立つ円形の建物は、007が潜入した犯罪組織の研究所・・・ではなく、回転展望レストラン。私達も早速席を確保して、「ジェームズ・ボンド・スパゲティ」なる料理をオーダーしました。運ばれてきたのは、スパSpaghettiゲティ・ミートソースにソーセージが添えられたごく普通の食べ物でしたが、1時間に丁度1回転するレストランで、移り変わる景色を眺めながら食べたスパゲティの味は格別でした。

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トゥリュンメルバッハの滝

Window クライネ・シャイデックの山岳ホテルで目を覚ますと、窓から見える山々に朝の光が射し始めていました。今日も早起きして活動開始。昨日の午後にも利用したLauterbrunnenヴェンゲン・アルプ鉄道の始発列車に乗りました。ヴェンゲンを過ぎると列車は徐々に高度を下げ、谷間の村ラウターブルンネンに向かいます。氷河に削られてできた崖が村のすぐ側まで迫っており、その崖をたくさんの滝が流れ落ちていました。教会の塔の後ろに見える大きな滝は、シュタウプバッハの滝です。

Truemmelbach_3 ラウターブルンネンでは列車からバスに乗り換えです。乗り継ぎ時間が5分しかなく、それを逃すと次のバスは1時間後という、初めての場所としては結構難易度が高い乗り換えでしたが、何とかクリア。今日の最初の目的地であるトゥリュンメルバッハの滝を目指しました。岩壁の「中」を流れる珍しい滝で、ベルナー三山の氷河から溶け出した水が、山塊の中を見え隠れしながら激流となって落下しています。入場料を払って中へ入ると、まず岩壁の中に造られたエレベーターで滝Truemmelbach_2の上部へ連れて行かれました。そこから洞窟のように遊歩道が延びており、階段を下りながら、表に見えているすべての滝を間近に眺めることができます。洪水で被害が出るほど雨が降った直後なので、さすがに水量が多く迫力満点。 水しぶきもハンパではありません。慌ててかぶった上着のフードもカメラのレンズも、水滴だらけになってしまいました。

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メンリッヒェンのハイキング

Maennlichen今晩泊まるはずのホテル・ベルビュー・デアルプは目の前に見えていますが、まだお昼を過ぎたばかり。午後のお楽しみはこれからです。まず、ヴェンゲン・アルプ鉄道に乗って、グリンデルワルトとは反対側のヴェンゲンに下りました。ここからメンリッヒェンの展望台まで、ロープウェイが出ています。所要5分で約1000メートル上がるので、かなりの急勾配。ロープウェイの中から斜面を見下ろすと、ちょっと恐いくらいでした。

Cattle 展望台に着くと、スイス・アルプスの大パノラマを背景に、牛たちがのんびりと草を食んでいました。ここからメンリッヒェンの山頂(標高2345メートル)まで、1時間ほどで往復することができますが、Hiking午前中に(夫が写真撮影に熱中したせいで)ユングフラウヨッホに長居しすぎたので、真っ直ぐクライネ・シャイデックを目指すことにしました。約2時間のハイキングです。 コース前方にはアイガー、メンヒ、ユングフラウの三山がそびえ、左側にはグリンデルワルトの谷が広がり、見飽きることのない景色が続きます。クライネ・シャイデックが見えてきて、ハイキングが終わりに近づくのが残念なほどでした。

Scheidegghotel ベルビュー・デアルプは19世紀に建てられたホテルで、標高2070メートルの高所に居ながら、アンティークな雰囲気のレストランでコース・ディナーを楽しむことができます。ここから夕暮れの山々を間近に眺めるのは、宿泊した者だけの特権です。ところが、この日レストランで食事をしていたのは、私達のほかに2-3組だけ。日本で予約した時点では満室と聞いていたので意外でしたが、おそらく洪水の情報を実際以上に深刻に受け止めて、宿泊をキャンセルした観光客が多かったのでしょう。勿体ないことです。

夕食前、ホテルの外に出て暮れゆく山々を眺めていたら、回送列車の前を牛が横切り始め、線路の途中で立ち止まってしまいました。当然、列車は停Motorman止します。どうするのかと思って興味津々で見ていると、列車の扉が開いて運転手さんが顔を覗かせました。なんとか牛を線路から出そうとするのですが、牛はなかなか言うことを聞いてくれません。 ついに運転手さんは列車から降りてきました。牛と直接対決(?)して、なんとか線路を最後まで横切らせることに成功し、列車はおもむろに運転を再開。のどかな一幕に、普段とは違う時間の流れの中にいるのを感じました。

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ユングフラウヨッホ

目覚まし時計の音で6時過ぎに目を覚ますと、まだ夜明け前。ホテルの部屋は真っ暗でした。今日はユングフラウ鉄道の1番列車に合わせ、グリンデルワルトを7時過ぎに出発する予定です。普通に朝食をとっていては間に合わないので、日本から持参した非常食(ゼリー飲料)をお腹に入れ、チェックアウトの準備をしました。ところが、朝7時ならフロントが開いているだろうと思ったのは日本的感覚だったようで、朝食時間前のホテルは、まだ寝静まっているようです。幸い宿泊料金は前払いしてあったので、フロント設置の電話でスーツケースを預かってくれるようにお願いし、荷物をカウンターの内側に運び込んで、ホテルを後にしました。

Jungfraubahn グリンデルワルト駅からヴェンゲルンアルプ鉄道に乗ると、暗かった山々に朝の光が射してきました。お天気は良さそうです。列車は隣のグルント駅でスイッチバックして進行方向を変え、ユングフラウ鉄道の始発駅であるクライネ・シャイデックへ向かいました。ここでユングフラウ鉄道に乗り換え、アイガー、メンヒの岩壁をくり抜いGletscherて造ったトンネルの中を進みます。途中、アイガーヴァント駅とアイスメーア駅で数分ずつ停車し、ガラス窓からアイガー北壁や氷河を間近に眺めることができました。終着駅のユングフラウヨッホは海抜3454メートル。その名のとおりユングフラウの肩に位置し、鉄道駅としてはヨーロッパで最も高い場所にあります。

Moench エレベーターでスフィンクス展望台に上ると、「3571m TOP OF EUROPE」の文字が出迎えてくれました。日当たりの良い展望台からは、360度の大パノラマが広がっています。東を見れAletschgletscherばメンヒの山頂が間近に迫り、西にはユングフラウがその勇姿を見せ、南にはヨーロッパ最長を誇るアレッチ氷河の流れを望み、北には先ほど列車を乗り換えたクライネ・シャイ デックが遠望できるといった具合で、つい時間を忘れて景色に見入ってしまいました。

Jungfraujoch 建物の外には氷原が広がっており、犬ぞり体験や氷河トレッキングなど、様々なアクティビティを楽しむことができます。私達は氷河トレッキングの準備はしていませんでしたが、ぽかぽかと暖かくて気持ちが良いので、トレッキング・コースが本格的に始まる手前まで、数百メートルだけ氷原の上を歩いてみました。背にしてきたユングフラウヨッホを振り返ると、雲ひとつない真っ青な空にそびえ立つユングフラウを背景に、スフィンクス展望台のドームが銀色に光っているのが見えました。

Kleinescheideg 氷原でのんびりしすぎたため、以後の予定がちょっと駆け足になってしまいましたが、氷河を削って造られた氷の宮殿を見学し、プラトー展望台からの眺めを楽しんだ後、再びユングフラウ鉄道に乗ってクライネ・シャイGoatデックへ下りました。周囲の山々を眺めながら屋外のテラスでお昼を食べていると、テーブルの傍らに子ヤギ が迷い込んできて、可愛らしい姿で和ませてくれました。

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グリンデルワルトへ

ルツェルンの旅を終え、いよいよスイス・アルプスの麓へ向かいます。まず目指すのは、アイガー、メンヒ、ユングフラウの3山が連なるベルナー・オーバーラント地方。今日の宿泊予定はグリンデルワルトです。普段ならルツェルン-インターラーケン間を直通列車が結んでおり、インターラーケン-グリンデルワルト間も列車で30分ほどですが、洪水の被害でこの路線が両方とも全面ストップしています。そのため、ルツェルンからインターラーケンへ行くには、ベルン経由で西側をぐるっと大回りしなければなりません。グリンデルワルトへは、インターラーケン西駅から代行バスが出ているとのことでした。

迂回路で移動距離は長くなりましたが、インターシティーを利用したため思ったほど時間のロスはなく、お昼前にインターラーケン西駅に到着しました。ところが、代行バスの乗り場らしいものが見あたりません。しかも、私達のほかには観光客の姿もほとんどありません。不審に思って駅員さんに尋ねると、なんとインターラーケン西駅-東駅間の路線が今朝から運行を再開したので、代行バス乗り場は1駅先の東駅へ移動したとのことです。代行バスは西駅から出ると思いこんでいたので、ルツェルン駅のインフォメーションで乗り継ぎ経路を確認した際に、インターラーケン西駅への行き方を尋ねてしまったのですが、最終目的地を告げるべきだったと反省しました。とはいえ、途中下車してしまったのですから、本来は見られなかったはずの西駅周辺を観光できたと、前向きに考えることにしましょう。空き時間を利用して駅前のカフェで昼食を済ませ、次の列車で東駅へ移動しました。

インターラーケン東駅は、山間の村々へ向かう観光客でごった返していました。どの列がどこへ向かうバスを待つ列なのか分かりにくく、スーツケースを引きずってウロウロしてしまいましたが、なんとかバスに乗り込み、グリンデルワルトへ向かいます。途中、洪水で土砂が流されて線路がぐにゃりと曲がっている箇所があり、改めて災害の凄まじさを目のあたりにしましたが、バスがグリンデルワルトに近づくと、私達を歓迎するかのように、アイガーが雲の隙間から顔を覗かせてくれました。ついにアルプスへやって来たのだという実感が湧いてきます。

ベルナー・オーバーラントには3泊の予定で、1泊目と3泊目がグリンデルワルト、2泊目はクライネ・シャイデックの山岳ホテルです。グリンデルワルトでは、駅に近いホテル・ツェントラル・ヴォルターを予約しておきました。ところが、フロントで名前を告げると「満室なのでAlpina別のホテルに部屋を用意しておいた」と言われ、近くのホテル・アルピナへと案内されました。アルピナもなかなか可愛らしい外観のホテルで、そこに泊まることに異存はありませんが、3泊目の宿泊がどちらのホテルになるのか、どちらのフロントに尋ねても分かりません。山岳ホテルへ出かけている間はスーツケースをツェントラル・ヴォルターに預かってもらうつもりだったので、ちょっと困ったことになりました。

Jib まあ、予約自体は入っているようですし、なるようにしかならないでしょう。悩んでいても始まらないので、街の散策に出かけました。ホテルの予約と洪水の情報収集でお世話になった日本語観光案Town内所に挨拶がてら立ち寄り、交通機関の運行状況などを確認してから、メイン・ストリートを街はずれまで歩きました。午後遅い時間だったせいもあって、教会の向こうに見える山々には雲がかかっていましたが、ベルナー・アルプスの勇姿は、明日以降のお楽しみにとっておくことにしましょう。
Church

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ルツェルンの街めぐり2

続きです。1回あたりの写真の数が多くなりすぎないように、記事を2つに分けました。

Museggmauer ムゼック城壁。1386年に建てられた城砦の一部が当時のまま残っており、城壁の上を歩いたり、塔に登ったりすることができます。この塔の1つに取り付けられている時計は、街で最も古いそうです。






Spreuerbruecke カペル橋の500メートルほど下流に架かるシュプロイヤー橋。こちらは渡ることができましたが、古い上に川の水量が増しているので、ちょっとスリルがありました。この写真はムゼック城壁の上から撮ったものです。カペル橋とシュプロイヤー橋の梁の部分には、屋根の形に合わせて三角形の板絵が描かれています。カペル橋ではルツェルンの歴史やエDeathdanceピソードが板絵の題材になっているのに対して、シュプロイヤー橋の板絵は「死の舞踏」の連作で、ヨーロッパを襲ったペストにまつわる死生観を描いたものだそうです。橋の天井に絵が連なっていて一見華やかですが、なるほど、よく見るとかなり不気味な構図でした。


Jesuitenkirche ロイス川沿い(新市街側)に建つイエズス教会。大規模なバロック建築の教会としてはスイス最古のものだそうです。浸水の被害があり、私達が到着した日は立入禁止でしたが、ルツェルンを発つ日の朝、内部の美しい装飾を見ることができました。洪水がなければ、ここでコンサートを楽しめるはずだったのですが。。。

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ルツェルンの街めぐり

今回の旅で訪れたルツェルンの名所をいくつかご紹介しましょう。

Hofkirche 正面に見えるのは、ルツェルンの守護聖人を祀ったホフ教会です。写真をよく見ると、フィーアヴァルトシュテッター湖(4つの森の州の湖)から溢れた水が、まだ乾いていないのがわかります。車両通行規制のため、通りは歩行者天国状態でした。



Lion フランス革命の末期、敗色が濃くなったフランス王家を守って殉死したスイス人の傭兵達がいました。これは彼らを偲んで造られた瀕死のライオン像で、自然の岩壁に彫られたものだそうです。このライオン像はどのガイドブックを見ても載っているので、大きな公園にあるイメージだったのですが、実際には小さな空き地のような公園にひっそりと眠っていました。もっとも、大型観光バスが次々と横付けされるので、観光客の往来は賑やかでした。

Gletschergarten 氷河公園。ライオン像のすぐ隣にあったので寄ってみました。約2万年前の氷河期には、ルツェルンは氷河に覆われていたそうです。発掘現場をそのまま公開している感じで、渦巻く水が作った深い縦穴や、氷河によって運ばれた大きな石などを見ることができ、予想以上に楽しめました。博物館が併設されていて、化石や市街の模型なども展示されていました。

Desbalances 旧市街に建つ四つ星ホテル「デ・バランス」。その歴史は13世紀まで遡ることができます。壁に描かれたフレスコ画が見事でした。

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ピラトゥス山

Pilatus_2 ピラトゥス山はスイス中央部に位置する標高2000メートルを超える岩山で、その特徴的な形から、竜が住むという伝説があります。当初の予定では、ルツェルンからグリンデルワルトへ移動する途中で、ピラトゥス山を観光するつもりでした。ところが、洪水の影響でルツェルン-インターラーケン間の鉄道が全線不通のため、移動だけで丸1日かかってしまい、寄り道をする時間はなさそうです。そこで、ルツェルン到着の翌日、急遽、ピラトゥスへ登ることにしました。

Lake_2 ピラトゥス山へは、ルツェルン郊外のクリエンスから、ケーブルカーで行くことができます。お天気はあさ曇りで、山頂からの眺めを楽しむには微妙かもしれませんが、その日の朝は、ルツェルンの街からピラトゥス山がくっきりと見えていました。ということは、きっと山頂からも下界が見渡せるでしょう。

Alps_4 駅前からバスに乗ってクリエンスで降り、ケーブルカーに乗り継いで、下の牧場から響いてくるカウ・ベルの音を聴きながら山頂の展望台に着くと、眼下には神秘的な眺めが広がっていました。遠方にはスイス・アルプスの山々も眺望できます。明日にはその近くまで行くのかと思うと、わくわくしてきました。眺めのよいテラスで、お昼寝中(?)のシュタインボックの群れを見ながら、のんびり昼食を摂りました。Steinbock_2

ピラトゥス山へ行ったら、ぜひ乗りたいと思っていた列車がありました。列車が自力で登る鉄道としては世界一の急勾配を誇る、ピラトゥス鉄道です。けれども、洪水のため列車も船も止まっているため、山頂からピラトゥス鉄道に乗ってルツェルンとは反対側のアルプナッハシュタットへ下りてしまうと、ルツェルンへ戻る交通手段がありません。やむを得ず、見るだけで我慢することにしましたが、崖にへばり付くようにして走る列車は、なかなかの見物でした。Train

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ルツェルンのカペル橋

Kapell 飛行機は無事にチューリヒへ到着。すぐに列車でルツェルンへ向かいました。およそ1時間で到着し、列車を降りて駅前の広場へ出ると、目の前にロイス川の流出口が広がっていました。宿泊予定のホテル・デ・アルプは、橋を渡った旧市街側に、ロイス川に面して建っているはずです。

さて、ホテルはどこかしら、とやや遠方に目を向けると、見事に増水したロイス川が目に入ってきました。川の向こうにホテルの看板は確認できましたが、その地上階部分は明らかに水に浸かっています。旧市街へ向かう橋も、本来はかなり交通量が多い大通りなのですが、橋を渡りきったあたりから水浸しで、車両通行止めになっていました。こんな状況ではスーツケースが水に浸かってしまうのではないかと心配しましたが、ホテルの裏手へ回ると歩道の上に臨時の木橋が組まれており、濡れずにチェックインすることができました。受付の女性に「お湯が出るようになったばかりで濁っているかもしれないから、水道をしばらく出してから使ってね」と言われましたが、特に問題はなく、不自由は感じませんでした。

ルツェルンのシンボルといえば「カペル橋」です。どんなに駆け足のパッケージ・ツアーでも、ルツェルンを訪れてこの橋を渡らないことはないはずですが、残念ながら、今回は増水のため通行止めになっていました。写真はカペル橋とヴァッサートゥルム(水の塔)ですが、右端の部分は川沿いのテラスで、普段はレストランのテーブルが並び、観光客が散策しているはずの所です。そこを白鳥が優雅に泳いでいました。

もう1つ残念だったのは、コンサートを聴くことができなかったことです。実は、チューリヒから真っすぐルツェルンに入ったのは、ルツェルン音楽祭のスケジュールに合わせるためでした。新市街のカルチャー・コングレスセンターでは、予定通りオーケストラの演奏などが行われていたようですが、私達のお目当ては教会でのバロック音楽。会場となる教会に浸水の被害があったため、中止となってしまいました。

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いざ、スイスへ

Swissair_4 第一弾は、2005年8月から9月にかけてのスイスの旅です。

旅行中はずっと好天に恵まれて、スイス・アルプスの自然を満喫できたのですが、実は出発直前は大変でした。明日は成田を発つという日の朝、いつものように朝食の支度をしていると、時計代わりに点けてあったテレビの画面から、水に浸かった街の様子が目に飛び込んできました。なんと、これから訪問する予定のスイス中央部が、洪水で大きな被害を受けたというのです。

スイスとの時差は7時間あり、現地はまだ深夜。国際電話で状況を尋ねるわけにはいきません。慌ててパソコンにかじりつき、インターネットで情報収集を始めました。夫は取り敢えず会社へ向かいましたが、やはり仕事そっちのけで現地の様子を調べていたようです。

グリンデルワルトの日本語観光案内所(JIB)のホームページを始め、現地のニュース(英語)などを片っ端から調べた結果は、かなり悲観的なものでした。各所で鉄道が寸断され、アルプス観光の拠点であるグリンデルワルトは、陸の孤島になっているようです。一時は出発するべきかどうか真剣に悩み、出発したとしても、行程の大幅な変更は避けられないと思われました。

しかし、ようやくJIBが開く時間になり、何度か話し中でかけ直した末に電話がつながると、相手の声には思ったほどの切迫感がなく、ちょっと拍子抜けしてしまいました。確かに洪水の被害は受けたけれども、交通機関は刻々と復旧しつつあり、既にユングフラウ鉄道が動き始めたそうです。また、代行バスで現地へ入ることが可能なので、ホテルなどをキャンセルすれば、通常通りにキャンセル料も発生するとのことでした。

これは、ともかく出発すべきでしょう。チューリヒへ到着してから情報を集め、場合によっては予定と全く違う場所を旅行する覚悟で、出発を決めました。ところが、折悪しく台風が関東地方へ向かっており、丁度成田を出発する頃に直撃する恐れが出てきました。そのため、急遽成田に前泊することにし、夫の帰宅を待って大急ぎで成田へ向かいました。

出発前のドタバタは、まだ続きます。ホテルにチェックインして夕食を済ませ、一息ついた途端、突然非常ベルが鳴り始めました。一旦止まったので誤報かと思いましたが、また鳴り出します。結局何だったのかは忘れてしまいましたが、最後までヒヤヒヤさせられました。

しかし、出発さえしてしまえば、これらのドタバタも過去のもの。幸い台風の影響を受けずにほぼ定刻に飛び立ったスイス・エアの飛行機は、一 路スイスを目指しました。

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